今回は「幸せ」を意味する「ウェルビーイング(Well-Being)」という言葉について。
「幸せ」のことを英語では一般的に「happiness (ハッピネス)」と言いますが、「happiness (ハッピネス)」は一時的な気持ちも含めていう表現のため、学問の世界では「幸福」を「持続的幸福(長い間続く幸せな状態)」として定義し、「Well-Being(ウェルビーイング)」と呼ぶのが一般的です。
でも、この「Well-Being(ウェルビーイング)」なる言葉、直訳すると「良い状態であること」。我々日本人には、言葉のニュアンス的に、正直、なかなかわかりづらいかと思います。
我々日本人にとっては「幸せ」は「Happiness」とかいうとわかりやすいのですが、「幸福」っていうと、なんだか宗教的な怪しい匂いがしますよね。。。
それと同じように、英語でも、敢えて学術的に「幸せ」という表現にするため、このような「Well-Being(ウェルビーイング)」という表現にしているのです。
そこでふと感じること。「そもそも「Being」ってなんぞや?」という疑問です。
「Well-Being」の言葉のニュアンスを理解する上で、この「Being」という言葉にきっと答えがあるのではないか?と思い、早速調べました。
【「Being」の意味と使い方について】
この「Being」という言葉には、大きく4つ意味がありますが、
ここから、ウェルビーイング(Well-Being)のビーイング(Being)の表す意味を紐解いてゆきたいと思います。
①「...であること」(基本形)
「being」はbe動詞(am, is, are, was, were) の原形である「be」と現在進行形を意味する「ing」が組み合わさりできた単語。be動詞+「ing」では「...であること」という意味です。
例:Just being with you makes my life richer.(ただあなたといるだけで私の人生が豊かになる)
②「...されている最中だ」
Being + 「過去分詞」での、いわゆる受け身の現在進行形。(英語が苦手な人にはちょっと難解かもしれませんね)
例:She is eating the apple.(彼女はそのリンゴを食べています)
受け身の形に変換すると以下になります(↓)
例:The apple is eaten by her.(そのリンゴは彼女によって食べられます)
これは、今回のテーマの「Well-Being」とはあまり関係なさそうですね。。。
③「一時的に...だ」
「being」の後に、形容詞か名詞が続き、「今は...だ、一時的に....だ」という意味で使うこともできます。
感情ではなく「(今その瞬間に)一時的に取っている行動」に指す言葉です。
「He is being + 形容詞」の形で使います。
例えば、いつもは優しい太郎が、今日だけ意地悪な場合、
例:Taro is being mean today. He is usually not like that.
(太郎は今日は意地悪ですね。いつもそんなことないんですが。。)
例:Is she just being polite?(あの子は今だけお行儀よくしてるだけなの?)
また、親が子供を叱るときにも「being」をよく使います。
以下の2つの例文から、微妙なニュアンスの違いを感じ取ってみてください。
例えば「naughty(行儀が悪い)」という言葉を使う時。
例1:You're naughty!」(あなたは(いつも)行儀が悪い人ね!)
性格まで踏み込んで言うような、少し言い過ぎ感がでてしまいます。
もし「今は行儀が悪い、でもあなたは常に悪いとは限らないよ」というようなニュアンスで伝えたい、そんな場面では、
例2:You're being naughty!((今の)あなたは行儀悪いですよ!(正しなさい))
と言って叱ります。
ここで「Being」の意味と使い方をみると、ウェルビーイング(Well-Being)でいう、ビーイング(Being)の意味がわかってきたような気がします。
つまり、「今、この瞬間の状態」がどうか?ということですね。
④「生命」
最後に、「being」は名詞では「人間、生命」という意味もあります。
・human being(s):人間
・living being(s):生命
「being」には「人間」とか「生命」というように、より普遍的な「人間の根源」としての「人」を表すようなニュアンスも含まれます。
【まとめ・・・「Being」とは?】
4つの「being」の意味を例として上げてきましたが、後半の③と④の意味に、ウェルビーイング(Well-Being)のもつ、ビーイング(Being)の本質、ニュアンスが含まれていると思います。
つまり「being」とは、普遍的な「生命の根源」としての「人」として「今、どのような状態にあるのか?」ということになります。
だから、「ウェルビーイング(Well-Being)」という言葉を使うのは、
・一時的な感情による「Happy(幸せ)」
というのではなく、
・生命として永続的に感じる「Well-Being(幸せ)」
というような意味であることが、この「being」の表す英語のニュアンスから読み取ることができます。
みなさん、何となく理解できましたか?ちょっと難しかったかもしれませんね。。
「幸せ」って、やはり一時的なものではなく、ずっと「幸せ」と感じられるものでないと本当の意味で「幸せ」とは言わない、のかもしれませんね。
だから、結論としては、
一時的に何か困難があったとしても、長い人生で「幸せ」な状態(Well-Being)を意識すれば、人は誰でも「幸せ」になれる。
だから、自分らしく、正しい人生を送っていたら人は「幸せ」になれる。
人と比較して「幸せ」かどうか?ではないし、成功したから「幸せ」とかでもない。
きっと自分らしい「幸せ」こそが、「Well-Being」なのでしょうね。
人生苦しい時、困難にぶつかっている時に「幸せ」を感じられないこともあるかもしれませんが、そんな事は一時的。人生、長いスパンで考えて「幸せ」な人生を送れるように笑顔でいましょうね。
You Only Live Once...
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